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老犬に負担をかけないお風呂の入れ方

投稿日:2018年7月25日 更新日:

老犬になって、若い頃のように体を動かせなくなった愛犬の入浴はとても大変ですね。
高齢になると少しの運動でも疲れるだけでなく、感覚器官が衰えて不安を感じやすくなります。

そんな心身ともにデリケートになった老犬の体を支えながらの入浴は労力を必要とします。
犬にとっても人にとっても、お風呂は老犬介護の中で特に体力を消耗するといえるでしょう。

かといって、全くお風呂に入れなくなるのは不衛生で皮膚病を引き起こす心配があります。

老犬に適した入浴をして、清潔さを保ってあげたいものですね。

そこで今回は、老犬にも飼い主さんにも負担をかけないためのお風呂の入れ方についてご紹介します。

 

老犬をお風呂に入れるための準備と温度

老犬をお風呂に入れる際、負担を減らすためには事前の準備がとても大切です。

入浴から浴後まで、手際よくスムーズに行うため使用するものは全て用意しておきましょう。

揃えたいものは、

・バスタオル数枚
・低刺激の犬用シャンプー(又はドライシャンプー)
・ペット用バスタブ(タライを代用しても)
・バスマット
・ドライヤー
・飲み物

ペット用のバスタブはホームセンターなどで手に入りますが、サイズの合うタライや赤ちゃん用のバスタブでも代用できます。
赤ちゃん用のバスタブは底に排水栓が付いているものが多く、シャンプーのすすぎの時に便利です。

飲み物は入浴中に水分を欲しがったり、入浴後リラックスした時に与えると良いので、必要に応じて用意してあげましょう。

そして事前の準備で重要な点が、浴室の温度です。

老犬になると、不安やストレスを感じやすくなります。
感覚器官が衰えて、環境変化への順応性がなくなっていくためです。

部屋と浴室の温度に差があるとストレスを感じるだけでなく、風邪を引きやすくなります。
体力の落ちた老犬の場合、風邪は重症化しやすく大変危険です。
サロンで老犬の入浴をお願いしても断られるケースがあるのはこのためです。
ストレスによる発作など、老犬は体調が急変しやすいのです。

部屋と浴室の温度に差が出ないよう、冬は浴室の温度をあらかじめ上げておきましょう。
シャワーで温かいお湯を出しておくと室温が上がります。

また、湿度が高いと呼吸が苦しくなる子もいるので、浴室の換気をしておきましょう。
入浴中も換気しながら行って下さい。

 

老犬の基本的なお風呂の入れ方

体力の弱い老犬の入浴は、時間をかけると負担になってしまいます。
「優しく手早く」を目指しましょう。

愛犬の体のサイズに合ったバスタブの中で、おすわりや横になった状態にして洗います。

まず、36~38℃程度のぬるめのお湯で全身を濡らしましょう。(冬場は~40℃程度)

そしてたっぷり泡立てたシャンプーで、マッサージするように洗ってあげます。
マッサージは血行を良くするだけでなく、愛犬をリラックスさせる効果もあります。
「気持ちいいね」と優しく言葉かけをしてあげると安心感も高まるでしょう。

この時、シャンプーの量には気をつけましょう。
シャンプーは低刺激であっても、皮膚に残ると炎症を起こしやすいものです。
皮膚の免疫力が低下した老犬には特に強い刺激となります。
皮膚への刺激を緩和するため、あらかじめシャンプー液をお湯で薄めておくのがおすすめです。

顔や目の周りは元気な子でも嫌がる部分なので、お湯で濡らしたタオルで拭いてあげるだけで大丈夫です。
目にシャンプーが入らないように注意して下さいね。

体全体を洗い終えたら、シャンプーが皮膚に残らないよう、念入りにすすぎます。
シャワーヘッドを体にぴったり密着させれば、被毛の根元からシャンプーをかきだすことができます。

しっかりすすぎ終わったら、手早くバスタオルで全体を拭いてあげます。
タオルでしっかり吸水しておくことで、ドライヤーの時間を短縮することができます。
若い犬でもドライヤーは嫌がる子が多いですが、濡れたままだと風邪を引くのでしっかり乾かしてあげて下さいね。

入浴後は愛犬も疲れているので、温かい部屋でゆっくり休ませてあげましょう。

 

寝たきりの老犬をお風呂に入れたい時は?

寝たきりの子や大型犬、全身浴が難しい子の場合、負担が大きいのでできるだけお湯には浸からせず、部分洗いやドライシャンプーをしてあげましょう。
お風呂場に連れて行かなくても、部屋で洗うことができます。

お風呂場で洗うほどの効果はなくても、濡れタオルで丁寧に拭いてあげれば、体臭を防いで清潔を保てます。
洗い流しを必要としない犬用ドライシャンプーは、ネットでもペットショップでも沢山売られています。

まず柔らかいバスマットの上に直接寝かせるか、防水シートにバスタオルを数枚重ねたものに寝かせてあげましょう。
ぬるめのお湯(38℃程度)を洗面器に入れタオルを濡らし、固く絞って優しく拭いていきます。
特に汚れやすい足とおしりは丁寧に洗ってあげましょう。

寝たきりの子は特に血行が悪くなっています。
優しくマッサージしながら洗い、血の巡りを良くしていきましょう。

一日で全身を洗おうと思わなくて大丈夫です。
愛犬の体調も見て、今日は足だけ洗い、洗えなかった他の部分はまた次回…という風に、分けて洗ってもOKです。

ドライシャンプーを使用する場合も同様、マッサージしながら洗ってあげましょう。
ドライシャンプーは霧吹きタイプや泡タイプ、パウダー状のものなどがあります。
毛並みをツヤツヤにしたり、余分な抜け毛を予防したり、商品によって効果は様々です。
効能を見て合うものを選んで下さいね。

 

まとめ

いかがでしたか?

今回は老犬のお風呂の入れ方についてご紹介しました。

高齢になってからのお風呂は大変ですが、可愛い愛犬との良いスキンシップになります。
優しく声をかけながら洗ってあげれば、愛犬も安心して緊張が和らぐでしょう。

2人で行うなどの工夫をすれば、さらに飼い主さんの負担も減らせると思います。
愛犬の健康状態に合わせて、負担にならない頻度で洗ってあげて下さいね。

ぜひ参考にしてみて下さい。

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